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「んぶっ…くううっ…んううっ!?」
(歯を食いしばってさえいれば、入らない…絶対に口の中には入れさせない…!)

「うぐっ! ぐっ…んー…んっ…んぅー…!」
(口の端から頬めがけて、そんなに強くそんなモノを押しつけないで…痛い…くっ…唇が切れる…っ!)

「素直にしゃぶれば苦しまずに済むものを」

顔を背けたのばらの頬を平手打つ。

「ぅあっ…!?」

(何っ!? …私、打(ぶ)たれたの!?)

片頬を朱く染めたのばらが、鋭い視線を返してきた。

(くうっ…この私を…打つなんて…)

「そんな目で見ても無駄だ。立場を弁(わきま)えようとしないお前が悪い」

(くっ…本当なら、立場をわきまえていないのはこの男なのに…っ!!)

「どうせ、草薙などという二流の成金に育てられた娘だ…我儘放題に育てられたのだろう」

(なんてことを言うのっ! 草薙家は、明治以前から伝わる…高貴な血も継いでいる家系なのに…!)

(ま、まただわ…! こうしてこの男は、私を逆上させる…なんて口も頭も回る男なの…!)

「この俺の手で躾けなければ、やはり駄目なのかもしれないな」
(やめてっ! あなたになんて躾けられたくないっ! 私は、私は…っ!)

何の躊躇(ためら)いもなく、のばらの鼻先を摘みあげた。

「くっ…んううっ!? うううっ!?」
(ううっ…苦しい…鼻を摘んで口を開かせようなんて…本当に手段を選ばない汚い男…!)


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